町屋シリーズ3【ひょうきんな守り神】
山下隼矢
2020/07/02
町屋に隠れたひょうきんもの
鍾馗さんとは?
町屋には守り神が存在します。
瓦屋根の上にユニークな表情をした像が見られます。
この像こそが町屋の守り神「鍾馗さん」です。
鍾馗とはもともとは中国の唐の玄宗皇帝の夢枕に現れて、鬼を退治したという魔除け、火除けの神様のことです。
日本家屋には鬼瓦を用いて屋根に邪気が入らないようにするという仕来たりがあり、鬼瓦によって払われた邪気、つまり災いが自分の家に降りかからないようにという意味で、庶民は鬼をも倒したという鍾馗を家の屋根上に祀ったといわれています。
主に京都の町屋によく見られる鍾馗さんですが三重県でも意外と見つかります。空爆で多くの民家が焼失した四日市でも鍾馗さんが見られるということは、鍾馗さんが災いから家を守ってくれたのかもしれませんね。
コロナウィルスなどで騒がれる世の中。
鍾馗さんが私たちを災いから守ってくれるかもしれません。
こういう時だからこそ原点に返ってみて日本の伝統に触れてみるのもいいと思います。是非お試し下さい!
PS.鍾馗さんの伝説
江戸末期ごろ、京都三条の薬屋が立派な鬼瓦を葺いたところ、向かいの家の住人が突然原因不明の病に倒れました。これは薬屋の鬼瓦に跳ね返された悪いものが向かいの家に入ったのが原因と考え、鬼よりも強いとされる「鍾馗」の人形を瓦屋に作らせて屋根の上に据えたところ、住人の病はたちまち完治したということです。