最近、新聞やテレビでよく聞くようになった「SDGs(エスディージーズ)」という言葉。
日本でもほぼ2人に1人が「聞いたことがある」と答えるなど、その認知度は確実に上がっています!
SDGsとは
「SDGs(エスディージーズ)」とは、
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、
2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、
国際社会共通の目標です。
このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいるのです。
SDGsの具体的な目標内容とは
もちろん、SDGsは国や政府、企業、そして私たち個人にも密接に関わっている問題です。
例えば…
■目標8には
「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用、及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する」
■目標12には
「2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする」
という、個人の生活や意識の変革を必要とするようなターゲットが設定されています。
SDGs(持続可能な開発目標)17個
目標1 貧困 |
貧困をなくそう No poverty あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる |
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目標2 飢餓 |
飢餓をゼロに Zero hunger 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する |
目標3 保健 |
すべての人に健康と福祉を Good health and well-being あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する |
目標4 教育 |
質の高い教育をみんなに Quality education すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する |
目標5 ジェンダー |
ジェンダー平等を実現しよう Gender equality ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う |
目標6 水・衛生 |
安全な水とトイレを世界中に Clean water and sanitation すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する |
目標7 エネルギー |
エネルギーをみんなにそしてクリーンに Affordable and clean energy すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する |
目標8 経済成長と雇用 |
働きがいも経済成長も Decent work and economic growth 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する |
目標9 インフラ・産業化・イノベーション |
産業と技術革新の基盤をつくろう Industry, innovation, infrastructure 強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る |
目標10 不平等 |
人や国の不平等をなくそう Reduced inequalities 国内及び各国家間の不平等を是正する |
目標11 持続可能な都市 |
住み続けられるまちづくりを Sustainable cities and communities 包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する |
目標12 持続可能な消費と生産 |
つくる責任つかう責任 Responsible consumption, production 持続可能な消費生産形態を確保する |
目標13 気候変動 |
気候変動に具体的な対策を Climate action 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる |
目標14 海洋資源 |
海の豊かさを守ろう Life below water 持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する |
目標15 陸上資源 |
陸の豊かさも守ろう Life on land 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する |
目標16 平和 |
平和と公正をすべての人に Peace, justice and strong institutions 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責 MDGs 任のある包摂的な制度を構築する |
目標17 実施手段 |
パートナーシップで目標を達成しよう Partnerships for the goals 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
SDGsと企業の取り組み事例
また、具体的にSDGsに取り組んでいる企業がたくさんあります。
まだ十分に食べられる食べ物が捨てられてしまう問題、食品ロス(フードロス)。
これを解消するため、週3日の午後だけ店を開き、
基本的には4種類のパンのみを売っている“捨てないパン屋”があります。
このパン屋では
「5年後に流行が終わるパンでなく、これまで長年残ってきたパンを受け継いでいきたい
という考えのもと、日持ちのしない具材をなくし、
国産小麦を使用したシンプルなパンを販売することで、
食品ロスを解消し、従業員の労働時間も減らすことに成功しています。
SDGsと教育現場
さらに、ここ数年教育の現場にもSDGsへの取り組みが広がりつつあります。
例えば創業以来、食と暮らしと学びを総合的に実践する食育活動が続けられている学校があります。
幼稚園から大学まで一貫教育が行われているその学校では、給食は生徒が毎日交代でつくります。
また調理を行うだけでなく、食材は園内にある畑で栽培したものが使われ、
ご飯も園内に育つ木の枝打ちしたものや倒れた木を使って薪窯で炊くそうです。
さらに、ただつくるだけでなく、
料理を担当したチームは、食事にかかった費用や栄養、生産地など料理の情報のほか、
つくる過程での課題などを発表します。
生活に欠かせない食事から様々なことを学び、
持続可能な社会づくりを考える力を育んでいるのです。
SDGsは、普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げています。
先進国と途上国、そして企業と私たち個人がともに手をとって
目標達成のために努力をしていかないことには、
貧困の解消や格差の是正といった深刻な問題は解決できません。